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comヒロ日記
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リハビリテーションだよ。多分ね。
昨日の続き。



























男が突き出した手には


紫色の箱が握られていた。













女は少し驚いた表情を見せたが、数秒の後には元の表情に戻っていた。

いや、戻るというより「こわばった」というのが正しいだろう。




緊張・・・いや、覚悟だろうか?

彼女の真剣な眼差しはただ1点、その箱に向けられていた。









一方男は、手を伸ばすだけで精一杯だった。

その手もずっと力を込めていたためか、かすかに震えている。



そして、また『頭の中の声』が男に語りかけた。




(よく頑張ったな。 大丈夫!あとは勢いにまかせて!)


男(んなこと言ったって・・・無理だよ・・・)


(大丈夫さ。昨日の晩、あんなに頑張って練習したじゃないか)


男(そうだけど・・・緊張して、全部吹っ飛んじゃったよ)


(そうだよな・・・緊張してるもんな・・・     よし!俺にまかせとけ!)


男(え?)


(俺が今から言うことを、そのまま口にするだけでいいからさ)


男(ほ、本当か?)


(ああ、まかせておけよ。 だって・・・俺はお前なんだから)








・・・そんな心の中でのやりとりをして、どれだけ時間が経っただろうか。


ついに、男が口を開いた。




男「これ・・・受け取って・・・くれないか?」








女「・・・うん。」



意外にも女は、生返事のような、ひどく当たり前のように箱を受け取る。



だが、それを手元に運ぶ時も箱から目を離すことはなく、まるで珍しいモノ
でも見るかのように・・・壊れ物でも触るかのように、ゆっくりと膝に置いた。







女「開けても・・・いいよね?」

そう言いながらも、箱からは目を離さない。




男「あ、ああ。 オ・・・オレの気持ちだ・・・」

そう言って、男は大粒のツバを飲みこんだ。



その音は女にも聞こえるほど大きかった。





カチ・・・ン

止め金具を外し、女は蓋を開いた。












小さくて透明な、キラキラ光る石が乗った、指輪が納まっている。



ダイヤモンド。

彼女の誕生石だった。

















ポツ、ポツと彼女の膝元に雨が降った。


泣いていた。







女「嬉しい・・・。ありがとう・・・ありがと・・・」


下を向いていた彼女の頭が、さらに下へ沈みこむ。


大事な物を抱え込むように。


そして、その喜びを噛み締めるかのように。









(よく頑張ったな・・・)




男も、彼女の涙にもらい泣きをしそうだったが、頭の中の声に気付いて
寸でのところでこらえることができた。


男(ああ、ありがとうな。オレ)




(さぁ、あとはプロポーズの言葉だけだな)



男(うん、そうだな。 ・・・それじゃあもう一度、お前に甘えていいか?)


(ハハハ、だらしがないぞ。 ・・・わかったよ。準備はいいか?)




男(ああ、いいセリフを頼むよ・・・)









男は席から立ち上がり、彼女の横に屈みこんで寄り添った。

そして、彼女の震える肩に手を添える。


涙でグシャグシャになった顔の彼女が、ゆっくりと男の方を見た。

男はハンカチを取り出し、涙を拭きながら彼女に言った。




























・・・つづく
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